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ユートピアの菌類

Posted in ニセ科学 by kapanda99 : 2013/01/27

学校教育におけるEMについてtogetterでいくつかまとめられてる。

 EM教育問題についての意見まとめ

特に総合学習の場合、生徒と教師だけでなく外部からの講師を呼ぶことも多く、そこでEMが肯定的に扱われていれば、学校側も特に疑うことなく受け入れてしまうことになってしまう。
例えば環境省による「環境カウンセラー」という制度がある。

環境カウンセラーとは
環境カウンセラーとは、市民活動や事業活動の中での環境保全に関する専門的知識や豊富な経験を有し、その知見や経験に基づき、市民やNGO、事業者などの行う環境保全活動に対する助言など(=環境カウンセリング)を行う人材として、登録されている方々です。
なお、主に、会社などで環境管理・環境保全のための具体的な取り組みおよび計画作りの実績などがある方や、地域の環境保全活動の実施および企画運営などに関わった経験のある方が環境省の実施する審査(論文と面接)※を経て、環境カウンセラーとして認定・登録されています。

※環境カウンセラー登録制度実施規程に基づき、環境省の行う審査

 ここのデータベースでは、活動実績等報告書を「EM菌」で検索すると何名かの講師がヒットする。国家資格ではないとはいえ、国が一定の審査を経て認定しているものに疑義をはさまなかったとしても無理のないことではないだろうか。
さらに県や市町村単位でも環境アドバイザーなどの名称で同じように講師を登録しており、そこでもEMを使用した授業が行われることがある。

EMは水伝ともまた違って、条件によっては効果のあることも考えられるので、個人的には土壌への微生物資材としての使用に限ってならぎりぎりグレーゾーンなのではないかと思っている。
しかしEMの中心人物である比嘉教授が江本勝氏の波動や関英男氏の重力波という、バリバリの正統派ニセ科学(変な言葉だ)によってEMの効果を説明している。そこから非衛生的な乳酸菌風呂や効果のほとんどないEMによる除染といった活動への門戸を広げることにも繋がることになりかねない。これらのプラスマイナスを見た場合、学校や行政が使用することによって、科学的根拠のないものにいわばお墨付きを与えることのマイナス面のほうが大きいので避けるに越した事はないのではないだろうか。

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